SHTRKT株式会社

利用サービス
BIM sustaina for Energy (Professional)
業種
設計事務所省エネ計算
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エネルギー性能を「見える化」し、建築の未来を変える

高気密・高断熱住宅の設計や省エネ計算のコンサルティングを行う株式会社SHTRKTは、環境と健康に配慮した建築の普及に取り組んでいます。前職におけるドイツの環境建築の学びを経て、独立後は住宅だけでなく、公共施設のエネルギー評価・提案や、自治体と連携した持続可能なまちづくりにも貢献してきました。エネルギー性能を正確かつ効率的に把握できることは、より良い設計への第一歩。そんな思いを形にするために、加藤さんが導入したのが BIM Sustaina for Energy でした。

課題

  • 省エネ計算に手間とミスの生じるリスクが多く、業務の効率化と精度向上が求められていた

導入の決め手

  • BIM上で省エネ基準に沿った計算が、効率よく正確に行える

効果

  • 設計初期からエネルギー性能を可視化し、提案の質と業務効率を飛躍的に向上

【課題】 省エネ計算に手間とミスの生じるリスクが多く、業務の効率化と精度向上が求められていた

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― まず、御社が抱えていた課題について教えてください。

加藤様 私たちは、高気密・高断熱住宅の設計や非住宅物件の省エネアドバイスを通じて、持続可能な建築の普及に取り組む設計事務所です。エネルギー性能の算出と省エネ設計のコンサルティングを主軸に業務を展開しており、設計業務にはARCHICADを活用しています。

しかしARCHICADに標準装備されているエネルギー評価機能は、日本の建築物省エネ法および、省エネ計算に対応していないため、BIMデータを活用できず、計算は別途Excelで手作業で行う必要がありました。

加えて、従来の省エネ計算・エネルギー計算業務では、クライアントから提供されたPDFやCADデータをBIM上に配置して面積を拾い出し、仕様部材の情報を図面から探し出す作業を行っていました。特に複雑な形状の建物の場合、面積の拾い落としや仕様部材の物性値(熱伝導率)の検索に膨大な手間と時間がかかり、ヒューマンエラーのリスクが常につきまとっていました。

事業開始当初は戸建住宅等の小規模建築物が中心でしたが、扱う物件規模が戸建住宅から数千㎡の大規模施設へと拡大するにつれ、従来のやり方では限界を感じるようになっていました。

【導入の決め手】 BIM上で省エネ基準に沿った計算を、効率よく正確に行える

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― そのような状況の中で、BIM sustaina for Energyを導入された理由は何だったのでしょうか。

加藤様 こうした課題に対して、BIM Sustaina For Energy の導入を決めた最大の理由は、ARCHICADにすでにあるマテリアルの機能を活用して、建築物省エネ法の基準に沿ったエネルギー計算が可能になる点でした。

特に魅力を感じたのは「業務効率化」と「ミスの防止」です。簡易的なモデルを作成するだけで、面積の拾い漏れや入力ミスがなくなり、設計変更があっても数クリックでBEI/BPIを再計算できるため、複数パターンを作成したり、繰り返し検討することが容易になることが期待できました 。

確かに省エネ計算ができるBIMモデリングには省エネ計算の知識が必要となるものの、その後のExcelデータ入力の手間やミスのリスクを考慮すれば、圧倒的に早く正確であると判断しました。

さらに、設計初期からエネルギー性能を把握できる点も重要なポイントでした 。まだデザインのイメージが固まっていないボリューム検討の段階でも活用が可能であり、おおよその建物ボリュームが決まればすぐにモデル化してBEIを算出し、目標とするエネルギー性能を達成するために必要な各部位の断熱仕様や各方位の開口率を導き出すことができると考えました。これにより、ZEB達成の要件やメリットを企画段階で提示できると期待しました。

【効果】 設計初期からエネルギー性能を可視化し、提案の質と業務効率を飛躍的に向上

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― 実際に導入されてから、どのような効果がありましたか?

加藤様 BIM Sustaina For Energy を導入したことで、業務の正確性とスピードが飛躍的に向上しました。特に、面積の拾い間違いや数値入力の誤りがなくなったことで、作業の信頼性が格段に高まりました。

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さらにエネルギー性能を設計の初期から意識できるようになったことで、より早い段階で省エネ性能を考慮した設計提案が自然と組み込まれるようになり、ZEB達成の要件やメリットも企画段階で示せるようになりました。これにより、ただの省エネルギー基準の達成度検証に終わらない、価値のある省エネ提案を早い段階で素早くできるようになったことは大きな効果です。

特に有用だったのが、ライフサイクル光熱費・CO2レポートと同時に作成されるグラフの元データを含むExcel形式の出力機能です。これにより、イニシャルコストや仮想の保守・更新費用を加えてライフサイクルコストを作成するなど、アレンジを加え、より高度で説得力ある提案が可能になりました。

今後は、意匠設計を担当するクライアントがBIMを活用している場合、私たちが作成した初期モデルを共有し、それをもとに設計を進めてもらうことで、クライアント自身にもBIM Sustaina For Energy を活用してもらうことを想定しています。これにより、設計者の省エネ知識向上にもつながると考えています。

また、BIMや省エネ計算が未経験の新人でも、このツールなら早期に業務に馴染めると見込んでおり、今後の人材育成や事業拡大の面でも大きな可能性を感じています。

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お話を伺った方

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SHTRKT株式会社

代表取締役 加藤様